犬の輸血
- 2022/09/27
- 症例について
コラム的になりますが、犬や猫にも輸血を実施しています。飼い主さん方から犬や猫にも輸血ができるのですか?血液型があるのですか?とよく尋ねられることがあります。
犬の血液型は13種類以上あるといわれています。国際的にはDEA(Dog Erythrocyte Antigen=犬赤血球抗原)式による分類がよく用いられています。犬の場合、初回の輸血の際は血液型が一致していなくてもあまり問題にならないと言われますが、これは、最初は他の型に対する抗体を持っていないためです。しかしながら、過去に輸血経験があったり、咬傷経験があったりすると、抗体が作られている可能性があり、2回目にその血液型が入って来たときに抗体が反応して拒否反応を起こすことがあるため、血液適合試験が必要になります。
猫には3種類の血液型があり、A型、B型、AB型の3つに分類されています。多くの猫はA型で、B型は猫の種類によってときどきみられ、AB型は非常に少ないようです。アメリカンショートヘアは100%A型、日本猫や国内のミックス猫はほとんどがA型だそうです。
犬や猫にも内科的に外科的に輸血が必要となる症例に数多く遭遇します。当院には40kg近くある供血犬が2頭、供血猫が2頭います。輸血前には血液型判定やクロスマッチを行い、投与することとなります。
症例は腹腔内出血により貧血を起こしており輸血をしている症例です。
犬用猫用の血液を献血により集める作業は、どの動物病院も苦労されているようです。お困りの際は一度ご相談ください。