膀胱瘻の設置
- 2022/10/29
- 症例について
今回の症例は13歳、メス、シーズーの症例です。こちらの症例は過去に膀胱結石で3度の結石摘出手術を行っております。食事療法などで内科管理を行ってはいたものの、その都度、膀胱内に結石ができてしまい、頻尿、血尿などの症状が強くなれば毎回手術を実施し膀胱内の結石を摘出するという状況でした。
今回はいよいよ排尿ができなくなったとのことで来院しました。各種検査を実施したところ、膀胱腫瘍や尿道腫瘍は否定的で膀胱結石、尿道結石による機械的な刺激で尿道が狭窄してしまい排尿できない状況かと判断されました。その後、尿道カテーテルを挿入し、内科的に炎症を取る治療を行ったものの症状が緩和することがなかったため、外科的に膀胱瘻を設置し、お腹側から採尿をしてもらう形をとることとしました。
写真のように膀胱瘻にはヒト用の胃瘻チューブであるガストロボタンを設置しています。このチューブの先端からアタッチメントを取り付けると簡単に採尿できる形になっております。飼い主さんには1日2-3回程度の採尿と簡単な消毒をしていただくご苦労はありますが、ワンちゃん自身は洋服を着せてあげるだけでカラーも装着せずに快適に生活でき、楽しみな散歩にも行けているそうです。ワンちゃん自身は元気や食欲もあり、排尿の問題を解決できたため飼い主様も非常に喜ばれていました。