犬の歯周病
- 2022/11/29
- 症例について
こちらの症例は目の下が腫れたとの主訴で来院されました。眼窩下膿瘍と呼ばれる病気で、口腔内を観察したところ重度の歯周病を呈しており、歯石も重度に付着していました。眼窩下膿瘍を起こす原因は、歯周病菌が目の下まで侵入してきたために起こるのですが、この子の場合、右の上の奥の歯(右第4前臼歯遠心面と右第1後臼歯の球心面)から歯周病菌が侵入して目の下に炎症を起こさせ膿が出ていました。
写真はスケーリング処置を実施しているところです。赤丸部分から排膿が認められます。ワンちゃん達は歯科処置をする間は動いてしまいますので全身麻酔をかけることとなりますが、腐食した歯は抜歯し、超音波のスケーラーを用いて歯石除去を行なっています。歯周病が進行すると歯槽骨(歯を支えている顎の骨)がどんどん溶けてしまい、最終的には歯が抜け落ちたり、ひどい時には下顎が骨折してしまうこともありますので、歯周病がひどい際には一度ご相談ください。