会陰ヘルニア④
- 2023/10/15
こちらの症例は13歳齢、未去勢のMダックスフントです。他院で会陰ヘルニアと診断され、毎週摘便、浣腸などを行っていましたが、手術でなんとかならないかと飼い主様からのセカンドオピニオンで来院されました。
お尻周りの外貌はボコッと腫れ上がり(右写真)、直腸から肛門にかけては宿便が溜まって便秘を呈しており(左写真)、造影検査を実施しますと、膀胱が骨盤腔内まで落ち込み尿道が蛇行していることがわかります(真ん中写真)。
今回の症例はワンチャン自身も13歳といえど非常に元気そうに見え、他疾患も現段階では認めていませんでしたので、手術により綺麗に整復すれば、内科管理の必要性はなくなる説明を行いました。しかしながら、手術には合併症がつきものです。年齢や麻酔リスク、感染などの合併症や再発率など様々なメリット、デメリットを説明いたしましたが、今回は手術を実施する決断をしていただきました。
手術は精管固定、直腸固定、会陰部をプロリンメッシュにて全周性に整復しています(手術内容は過去のブログ参照してください)。