交通事故による腹壁ヘルニアと大腿骨粉砕骨折
- 2024/03/01
- 症例について
他院からの紹介で来院した交通事故の猫ちゃんの症例です。
自宅と外を行き来する生活環境で飼育されている猫ちゃんが、数日行方不明でなんとか自宅へ帰宅したが足がブラブラでぐったりしているとの主訴で来院されました。
X線を撮影しますと、右下腹部から鼠蹊部にかけて消化管が逸脱しており、腹壁ヘルニアを認め(赤丸)、右後肢に関しては右大腿骨の粉砕骨折(右大腿骨頸部骨折、大腿骨中央部らせん骨折)が認められます。
症例の状態も悪く、まずは点滴等状態の安定化を図りつつ、腹壁ヘルニアの整復と骨折整復を同時に実施することとしました。
大腿骨骨折に関しては、大腿骨頭切除、らせん骨折部分はサージカルワイヤーによる固定、髄内ピンによる整復を実施しました。
長時間にわたる手術でしたが、無事に終え、症例も元気に退院できました。