陰嚢前部尿道瘻
- 2024/09/17
- 症例について
今回の症例は、15歳、未去勢雄、雑種犬が排尿できないとの主訴で来院されました。X線を撮影したところ、尿道結石が数珠状に連なって、排尿困難を呈していることがわかりました。
数ヶ月に渡り結石が蓄積され、排尿時に結石が落ちては少しづづ詰まっていき、このように会陰部尿道まで結石が詰まっていることがわかります。同時に膀胱内にも結石が認められます。手術は尿道切開により結石を摘出しようと試みましたが(下左写真;大量の結石が摘出される)、陰茎骨内の結石を除去することができず、術式を変更し陰嚢前部尿道瘻を設置しました(下右写真)。
本症例はカテーテルが挿入してある部分に尿道開口部を設置することで、力むことなく自然な状態で排尿が可能となります。また今後、結石が形成されても細かいものであれば、この尿道口から排泄されます。