直腸プルスルー
- 2021/12/29
- 症例について
生後2ヶ月弱の子猫ちゃん、この寒さから体力を消耗し、追い打ちをかけるようにカラスにつつかれ、畑に息絶えそうなところを飼い主さんに助けられ来院しました。全身状態が非常に悪く、横になったまま動けず深刻な状況で、写真のように肛門をカラスにつつかれ直腸まで破れておりました。助かる見込みも厳しそうというのが私の初見でしたが、飼い主さんがなんとか治療してあげたいとのことでした。
全身状態の改善のため、点滴と保温、カテーテルにて栄養補給を実施したところ、意識が回復し、なんとか2日程度で自力で起立できるまで改善しました。
ここからさらに麻酔をかけて、周囲組織の洗浄とデブリードマンを実施し、正常組織の直腸を引き抜き、写真のように縫合しました。
この猫ちゃんは2週間ほど内科治療を継続、入院しました。肛門周囲の筋組織が消失したため、排便時に便のキレは悪いですが、元気食欲も旺盛で退院できたので良かったです。