会陰ヘルニア
- 2022/01/20
- 症例について
難しいタイトルですが、よく無駄吠えをする雄犬に多い病気、会陰ヘルニアの整復オペを実施しました。
男性ホルモンが強いことで、年齢を重ねるごとに会陰部(肛門周囲の筋肉)が菲薄化し(模式図)、薄くなった筋肉の隙間から直腸や膀胱、前立腺が逸脱(ヘルニアをおこしてしまう)してしまう病気です。
こちらの症例は便が出づらいとの主訴で来院されました。写真のようにおしりが腫れており、直腸検査にて直腸が逸脱、ヘルニアを起こしいるのがわかりますした。
手術は下の写真、模式図のように会陰部の肛門挙筋が菲薄化しているところを人工メッシュで補強し、膀胱や直腸がヘルニアを起こさないように精管固定や結腸固定を実施しています。
閉鎖孔を介し全周性に会陰ヘルニアを人工メッシュにて整復
腹壁への精管固定
腹壁への結腸固定
何箇所にもわたる手術のため、オペ時間も3時間を要しましたが、オペ後3日目には排便状況も改善し、傷口も癒え、良好な経過をたどっています。そろそろ退院ができそうです。