下顎の皮膚損傷
- 2022/01/20
- 症例について
写真の症例猫ちゃんはものすごく痛そうですが、事故か喧嘩でしょうか。あごの皮膚と皮下組織がまるで服を脱いだかのように垂れ下がっており、下顎骨の大部分が露出していました。受傷から日にちも経過したため、組織は化膿や壊死を起こしていました。
組織を綺麗に洗浄、デブリードマンを実施ししたところ、解剖模型のように下顎骨が露出されました。綺麗に縫合を終え皮膚形成をしました。
こちらの猫ちゃんは初診時より出血や炎症で貧血が強く、さらには猫エイズも発症していたため、内科治療に苦慮しました。年末より入院し、敗血症や急性膵炎など何度も厳しい局面があり、輸血も2回実施し、抗生剤なども数種類使用しましたが、なんとか自力で採食できるまでに回復し退院しました。