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肝臓腫瘍
  • 2022/02/03
  • 症例について

こちらの症例は11歳のラブラドールです。元気消失、虚脱を主訴に来院し、精査したところ血液検査にて肝機能が高値を示し、X線、エコー検査を実施したところ肝臓腫瘍が発見されました。今回の主訴に関連するものかは不明でしたが、主訴に対する治療としては点滴等の対症治療で改善し、肝臓腫瘍に対しては治療を進めていく計画となりました。

肝臓手術は大血管が近く手術難易度も高く、しばしば腫瘍も複数の肝葉に渡って認められることがあるため、術前には手術適応か、切除範囲の計画、出血リスク等を判断する為、大学病院でCT検査を撮影されることをお勧めしています。

今回の症例では、飼い主様がCT検査を希望されなかったこと、エコー検査のみでも外側左葉の孤立性病変と判断できたことから、直接当院で手術を実施しました。

結紮糸や血管クリップ、シーリングデバイスなどを使用し、無事に切除されました。

病理結果は肝細胞癌と言って肝臓に一番多く発生する腫瘍です。犬の場合、手術を行うのみでほぼ進行しないことがわかっているので、今後は経過観察で十分かと思われます。

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