猫の乳腺腫瘍
- 2022/03/24
- 症例について
こちらの症例の猫ちゃんは乳腺にしこりがあるとの主訴で来院されました。
症例の猫ちゃんは写真のように左側第一乳腺に複数の乳腺腫瘍が認められました。猫ちゃんの乳腺腫瘍の場合、多くが悪性の乳がんと診断されるため、悪性腫瘍前提として治療に進むこととなります。所属リンパ節への転移は不明でしたが、この時点で肺野への遠隔転移は認めませんでしたので、飼い主さんと相談のうえ、手術にて乳腺腫瘍を摘出することとなりました。
猫ちゃんの乳腺腫瘍は進行が早く、上述のように遠隔転移や局所再発が高い腫瘍ですので、手術は乳腺の全摘出となります。今回はまずは病変側の片側乳腺全摘出と腋窩、副腋窩リンパ節切除を行なったのち、反対側を2週間後に切除する計画としました。
病理検査の結果は乳腺がんと診断され、腋窩リンパ節、副腋窩リンパ節への領域リンパ節まで転移が認められるとのことでした。。。
現在は反対側の片側乳腺全摘出まで終え、抜糸も終えている段階です。猫ちゃんも周術期の困難に耐えてくれて元気に生活できております。リンパ節への転移が認められたという病理検査の結果を踏まえると、目に見えないがん細胞を死滅させるためにも抗がん剤治療を行うことが効果的です。飼い主さんも猫ちゃんも頑張って治療してあげたいとのご希望でしたので、来週より抗がん剤治療に入る予定です。