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会陰ヘルニア
  • 2022/04/01
  • 症例について

以前も会陰ヘルニアについてアップしましたが、今回はミニチュアダックスフントの会陰ヘルニアの整復手術を実施しました。

症例は10歳齢の未去勢オスのワンちゃんです。他院にて会陰ヘルニアと診断され、半年以上内科治療を行なっていましたが、排便や排尿の管理がいよいよ限界とのことで来院されました。

       

写真のように会陰部(お尻まわり)は膨れ上がり、尿道造影のX線では膀胱や前立腺が骨盤腔の後方まで逸脱していることがわかります。

会陰ヘルニアの病態は男性ホルモンの影響による会陰部筋肉(特に肛門挙筋)の萎縮、それに伴うヘルニア部位からの消化管や膀胱の逸脱が原因となります。そのため手術では去勢手術、消化管や膀胱が逸脱しないために直腸固定や精管固定、そして欠損しているヘルニア部分の修復が必要となります。

 

直腸固定

腹壁への精管固定

ポリプロピレンメッシュを用いて、閉鎖孔を介し全周性に会陰部ヘルニアを整復

 

                              

仕上がりを見ましても、会陰部の腫れが治っていることがわかります。会陰ヘルニアの術式はいくつかありますが、ポリプロピレンメッシュを用いた整復法は再発率等含めても良好な成績であるため、当院ではこの術式を採用しています。

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