腹腔内陰睾
- 2022/04/30
- 症例について
こちらの症例わんちゃんはTプードル、2歳の症例です。腹腔内陰睾のため、開腹手術にて精巣(睾丸)を摘出した症例です。
精巣(睾丸)が陰嚢内に1つもしくは2つとも降りてこないことを、陰睾または潜在精巣といいます。犬の場合、生後30日前後で陰嚢内に下降してくるのですが、それが途中で止まってしまい、腹腔内や鼠蹊部など正常な位置に睾丸が存在しない病気です。この降りてこない睾丸は、ある年齢に達すると、がん化してくる確率が非常に高いため、早期の去勢手術が推奨されます。当院でも高齢わんちゃんが若齢時より陰睾であるにもかかわらず、去勢手術を行わずにいたために精巣腫瘍を発症してしまい、すでに手遅れという症例を数多く経験します。また、この病気は遺伝性疾患であるため、繁殖に使用しない方が望ましいということは広く知られています。
今回の症例は片側は陰嚢内に、片側は腹腔内にあり開腹手術にて精巣を摘出しました。